2020年1月5日、最大9連休の年末年始のお休みも今日が最後。明日から仕事始めという人も多いでしょうね。MARCYも明日が仕事始めです。年末年始ず~と小説を読んできましたので、今日はちょっと骨休めで、マンガを紹介します。ささやななえこさんの「生霊」(いきすだま)です。
正月からホラーかよと思われるかもしれませんが、MARCYもともとホラー大好きだし、ささやななえこさんのホラーマンガはとにかく名作なので、正月とか関係なしで紹介しますね。
ささやさんはとてもベテランの漫画家さんで、とくにホラーの著作は多く、この「生霊」以外にも「たたらの辻に」や「ミノタウロス」「化粧曼荼羅」などの傑作が多いです。中でも「生霊」は、MARCY的にはささやホラーの最高峰だと思います。
残念ながら現在絶版になっているようで、キンドル版も無いので、アマゾンで中古は探せるようでしたので、ホラー好きの方は探してみてください。一読の価値ありですよ。「生霊」は短編集ですが、その中で「生霊」はそのまま生霊のお話。「鉄輪」は生霊と死霊の絡むお話です。
「空ほ石の・・・」は、無念の死を遂げたこどもの地縛霊の話。その他にもささやご自身の体験にもとづいた自伝的なショートホラー、3話オムニバスの「通りゃんせ」は、マンガ家としての日常の中でのオカルト体験を描いた「はるかなる向こうの岸」が収録されています。
なかでもMARCYがとくに怖いなあと思うのが、表題作である「生霊」と「空ほ石の・・・」ですね。「生霊」も「空ほ石の・・・」も、主人公は女子高校生です。ネタバレはさけますが、「生霊」は恋する男子生徒の前に生霊として姿をあらわす同級生の物語。
「空ほ石の・・・」は、父の転勤で引っ越してきた団地の5号室だけに起こる怪異に巻き込まれる女子高校生の物語です。解説で触れられていますが「生霊」は、伊勢物語や源氏物語、また能に着想を得たテーマの短編集で、とくに「生霊」を「いきすだま」と読むのは、わざわざ源氏物語の読み方を採用されたそうですよ。
「生霊」は上記のようなテーマに沿った良質なストーリーも怖いのですが、なんといってもさささやさんのホラーマンガが怖いのは、その絵の質感だと思います。女性らしい細やかな絵で、女子高校生の描写も可愛らしいのですが、それが生霊や死霊に転じた時の恐ろしさ。
とにかくホラー向きの絵だと思います。女性だけではなく男性のホラーファンにもぜひ読んで欲しいMARCYのお薦めです。残念ながら絶版で入手困難かもしれませんので、どうしても読んでみたいという方はご連絡ください。県内の方ならお貸ししますよ。
また、「生霊」は2001年に映画化されていますが、こちらも残念ながらツタヤのレンタルでしか見れないようです。
ささやななえこさんのホラーマンガは他に、「たたらの辻に」もお薦めです。こちらはキンドル版で読めますね。MARCYのお薦めです。
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