室積光の大傑作、都立水商の待望の続編が小学館文庫から出ました。
って実は今年の5月には出ていたんですね。MARCYのチェックから漏れていたようです。
沖縄では多分放送されなかったと思うんですけど、MBS(毎日放送)で、今年(2019年)5月にテレビドラマにもなってたみたい。調べたらDVD化されて発売されているので、映像で見たい方はチェックしてもいいと思いますよ。
今ならアマゾンプライムで会員は無料で見れます。MARCYも見てみようと思ってます。
室積光は、MARCYが大好きな作家のひとりで、とにかく奇想天外なアイディアの小説がいっぱ~いあります。その中でもこの「都立水商」シリーズは、最高傑作と言っても過言ではないと思いますね。
先ず、アイディアがとにかく奇抜で秀逸。
あの新宿歌舞伎町に何と水商売に従事する人材を養成する職業高校が、なんと都立で設立されるという話です。(都立水商)
これだけだと「そんな馬鹿な!!」「そんな嘘八百の話、面白くないよね?」と思いますよね。
でもこの作家の巧みな物語づくりにかかると、これが本当にありそうな話に化けちゃうんですよね。しかも超絶的に面白い!!
都立水商の専攻科は、「ホスト科」「ホステス科」「マネージャー科」「バーテン科」「ゲイバー科」などの他に、なんと「ヘルス科」「ソープ科」まで。しかもソープ科の朝の授業は○○ずり1,000回からスタートします。
前作の「都立水商」の主要な登場人物やその子供たちが、捧腹絶倒、そしてほろりと涙ぐむ物語を紡いでいますが、前作読んでないとわからないエピソードも多いですね。
ですので、「都立水商」「都立水商1年A組」(いずれも小学館文庫)の順に読むことをお薦めします。読んで絶対損はない!!
MARCYは基本的にこの「乱読日誌」でネタバレに繋がる解説や、詳細なストーリー紹介、登場人物紹介はしません。シンプルに自分で読んで面白かった小説やマンガをお薦めするにとどめます。
でも、この「都立水商」は多くの人に是非読んで欲しいので、ちょっとだけポリシーを曲げてこの小説のコンセプトがよくわかる都立水商初代校長(矢倉茂雄)の入学の祝辞を紹介したいと思います。少し長いですが全文引用しますね。
皆さん入学おめでとう。私が校長の矢倉です。教職員を代表して、皆さんに一言、お祝いを申し上げます。
皆さんが、当水商業高校の第一期生となります。と言うより、皆さんは我が国の水商売専門の高校の最初の生徒なのです。皆さんは、まだ中学を出たばかりですから、水商売の実態というものがよくわかっていないでしょう。
水商売の世界は人の出入りが激しく、またお店自体も目まぐるしく、できたりつぶれたりを繰り返すものです。
なぜでしょう?
それは経営のプロフェッショナル、あるいは従業員のプロフェッショナルが少なく、またそれを養成する機関もなかったからです。本校は、まさにそういった人材を世に送り出します。
これから皆さんを先頭として、本校からの卒業生が業界の各分野に進出して、水商売の世界をより安定した職場へと様変わりさせていくことでしょう。
また、現状では、水商売というだけで差別を受ける場合があります。例えば不動産で部屋を探すにしても、水商売というだけで、入居できない場合があるのです。
なぜでしょう?
それは、残念ながら世間において、水商売に従事する人たちのモラルの持ち方に疑問を呈する人が多いのです。これもプロフェッショナルとして徹しきれないところに原因があります。
この業界には、他の職業から不本意ながら転職してくる人が多いのです。プライドのない所にモラルは育ちません。いわば常に悪循環をきたしていると言えましょう。
皆さんから変えていくのです。プロフェッショナルとしての、技術と時価鵜を身につけ、新たな職業倫理を確立させましょう。皆さんから始めるのです。
甚だ短くて恐縮ですが、これを私からのご挨拶とさせていただきます。
良い挨拶だと思いませんか?矢倉校長のもとで、生徒たちは目覚ましい成長を遂げていきます。さあ、あとは読んでからのお楽しみ。
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