トップリーグ 相場英雄著(ハルキ文庫)

トップリーグ表紙 ミステリー

 

社会派のミステリー作家、相場英雄の最新文庫

トップリーグとは何か?

総理大臣や官房長官などのトップ政治家の懐に飛び込むエース級の記者のことです。

彼らは、この国を動かす政治家たちの懐に飛び込み、公式発表とは違うオフレコの情報にじかに接する記者たちです。

通常の公式発表や”ぶらさがり”と言われる取材以外に、懇談会と称するごく少数のトップリーグだけが参加できる取材の場で、政治家たちと接しています。

時にそれが癒着を生み、政府の代弁者となる御用記者となることも、仕方が無いことなのかもしれませんね。

この「トップリーグ」では、まさに御用記者になり下がったトップリーグたちと、政府の不正を暴こうとするフリーの記者たちのせめぎあいが、迫真のリアリティを以て描かれています。

続編の「トップリーグ2」も同じくハルキ文庫から発売されていて、こちらが完結編です。一気読み必至ですので、あわせてどうぞ。

著者の相場英雄は、社会派ミステリーで定評のある作家で、MARCYはかなりの数を読んでいますが、「トップリーグ」を読んで満足されたら、警察小説を読むことをお薦めします。

著者の警察小説「ナンバー」シリーズは、あまり描かれることのない、知能犯を扱う警視庁捜査2課、通称ナンバーの刑事たちが企業や行政の汚職を暴いていくシリーズです。

「ナンバー」「トラップ」「リバース」は双葉文庫から。

登場メンバーが一部変わり厳密に言うと「ナンバー」シリーズではないかもしれませんが
「不発弾」が新潮文庫から出ています。

著者の捜査2課や知能犯罪に関する知識は半端ではなく、また実際の事件をモデルにしたと思われる題材も多く、そのリアルさには舌を巻きます。

つまらないトリックや、薄っぺらな人物描写のミステリーに飽き飽きしている人は、ぜひ相場英雄を体験してください。

WOWWOWでのドラマ化も話題になりましたね。

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