MARCYの自分史BLOG第13回 「MARCY映画をつくる その6ピクチャーロックを解く!!」テーマ型自分史として

神人ポスター 自分史BLOG

テーマ型自分史として その6

こんばんわMARCYです。いやあ、5回で完結できませんでした。

もうしばらくお付き合いくださいね「映画をつくる篇」書いていくほどに記憶がよみがえり

ああ、あのことも書かなきゃ。これも伝えたい。

と、テーマ型自分史のサンプルとして、みなさんにお伝えしたいエピソードが、次から次へと湧き出てくるんです。繰り返しになりますがテーマ型の自分史は、人生のある時期に限定したり、趣味や仕事にテーマを絞ったりして作成することができます。

自分が今、もっとも伝えたいことだけを抽出して取り組むことができます。表現方法もいろいろありますが、MRCYは動画での自分史作成をおすすめしています。本をつくることに比べれば、はるかに早くリーズナブルにつくることができますよ。

もちろん予算に余裕があれば、再現映像を織り込んで、動画でつくるあなただけのオリジナルな自分史ビデオ、自分史映像、ちょっと豪華に自分史映画と呼んでも差し支えないクォリティに仕上げることも可能です。

また映像は文章に比べると、圧倒的に情報量が豊富ですので、視聴しても飽きない15分から20分程度に編集することができます。そして現役で仕事をしている方であれば、自分をパーソナルブランディングして、仕事に役立つPR映像として活用することも考えられますよね。

ぜひ時系列型よりも取り組みやすいテーマ型。映像化もしやすいテーマ型。動画でつくる自分史ビデオを検討してみてください。あなたが主役の映画も作れます。MARCYが相談にのりますよ!!

さて今回のアイキャッチは、「神人~ザンの末裔~」のポスターです。じつはポスターはいくつかのバージョンをつくったのですが、このバージョンはチャーリーのアドバイスを受けた海外(アジア)向けのバージョンです。MARCYもクレジットされてるので探してみてください。

さあ、それでは物語を再開しましょう。

チャーリーの来沖

シンガポールのATFから帰国してまもなく年が明けました。2015年の1月、チャーリーが沖縄にやってきました。ロケの時以来の来沖です。目的は「神人~ザンの末裔~」の試写のためでした。

12月にピクチャーロックしたので、音楽や効果音など音の作業や、VFXの作業などもある程度進んでいます。限りなくゼロ号試写に近い試写だという認識がMARCYにはありました。ところが・・・チャーリーの認識はまったく違っていたのです。

前回、”MARCYは大きなミスを犯した”と書きました。じつはピクチャーロックすることをMARCYはチャーリーにはっきりと伝えていなかったんですね。チャーリーは海外販売を一手に引き受けるディストリビューターであり、プロデューサーの一人でもあります。

もちろんMARCYが製作総指揮(エグゼクティブプロデューサー)なので、最終的な決定権は、MARCYにあります。だからと言ってチャーリーの承認を得なかったというのは、致命的なミスと言っても過言ではなかったのです。

なぜこんなことになったのか?映画製作の経験が浅いMARCYの認識が甘かったとしか言いようがありません。頭の片隅に、チャーリーもOKしてくれるはずだという自分勝手な思い込みがあったんですね。

愚かな決断!!ピクチャーロックを解く

案の定、初めて試写を見たチャーリーからは、様々な指摘、要望が出てきました。そしてそれはピクチャーロックを解かないとできない要望がほとんどだったのです。今考えるとミスはミスとして、ロックを解かない範囲での改善をチャーリーと粘り強く交渉すべきでした。

それが総責任者であり、予算を任されているMARCYの役割だったはずです。しかし、MARCYは愚かにもピクチャーロックを解く決断をしました。ただ、この”愚かにも”ということは、今のMARCYだから言えることです。

当時のMARCYには、根拠の無い自信と妙な気負いがありました。沖縄の映画界では前例のなかった完成前の海外代理人契約。沖縄県文化等コンテンツファンドと沖縄観光コンベンションビューローの助成金の獲得。

そして地元新聞社とテレビ局からの出資。東京の市場に振り回されない海外展開は、自分にしかできない使命だという思い込み。台風シーズンにも関わらず1日しか雨の降らなかった奇跡のロケ。すべてはMARCYの決断が間違いではない予兆に思えたのです。

それどころかMARCYは多分、このピクチャーロックを解くという決断を下せる自分自身に、酔っていたのかもしれません。自分にしかできない決断だという高揚感すら感じていたのですね。

少しピントがぼけていますが、写真は試写が終わったあとのチャーリーを囲む夕食会の風景です。今思い起こすとビデオテック社の森さん(3Dの技術者)が

ほんとうにピクチャーロックを解くんですか・・・

と唖然としていた表情を鮮明に思い出します。

チャーリー来沖

ロックを解いた・・・そして起こったこと

ピクチャーロックを解く決断をしたMARCY。そして・・・

すべての作業を中断する

すぐにすべての作業に中断の指示を出しました。具体的にいうとVFXの作業であり音作りの作業です。あたりまえの話なのですが、ピクチャーロックを解くということは、編集をやり直すということです。

つまり、もう変わることは無いはずだった映像の尺が変わってしまうわけですよね。そうすると、CG映像の尺が変わります。合成のための切り抜く映像の尺が変わります。そして、BGMや効果音の尺が変わってしまうのです。

それどころか、下手をすると追撮(新たに撮影をすること)が発生してしまう可能性がありました。現にチャーリーの要望には、新たなシーンを付け加えることも含まれていたのです。そして、ここまで来てMARCYは初めて気づいたのです。

尺が変わってしまうということは、すべてとは言いませんが今まで積み上げてきた作業が、無駄になってしまうということなのです。ぶっちゃけいうと追加でお金がかかるということなんですね。

例えばBGMはほとんど作業が終わっていました。とうぜん、契約した満額の支払いを要求されました。そして、変更後の作業費は追加で請求されることになったのです。また、CGの制作では、尺の変更に加えて新たな問題が発生しました。

3D映像の原理

3D映像は、右目で見る映像と左目で見る映像とふたつの映像が必要になります。実写で撮影した映像は、2眼のカメラで撮っていますので問題はありません。右目と左目の視差が付いた映像が、撮影済みです。

ところがCGの映像は視差が付いた二つの映像を、一からつくる作業をしなければいけません。参考に3D映像の原理を下に示します。

3Dの原理

上の図のように、視差のずれた右目用(R)と左目用(L)の映像をつくるわけです。MARCYは、古い付き合いでとても信頼しているCGディレクターにCG映像の作成を依頼していました。彼は撮影にも立会い、理論的に視差の分だけ映像をずらす作業を行いました。

CG作業で起こった問題とは?

つまり、先ずCG映像をひとつ作って、コンピューター上でずらすわけです。ところが、大きな問題が発生しました。実写の映像とCGがきちんと重ならなかったんです。CGディレクターには、切抜きの作業も依頼していたんですが、3Dですから切抜きもLとRの2倍の作業です。

そして切り抜いた映像にCGを重ねてみるとLとRで微妙にずれるんですね。そこで解決策をビデオテックに相談しました。回答は、CGをコンピューター上でずらすのではなく、LとRの切り抜いた映像に合わせて別々につくるというものでした。

この作業は恐ろしく時間が掛かります。時間が掛かるということは=お金が掛かるということになります。このCGで発生した問題も含めて、ピクチャーロックを解いたことによって、予算は予定していた額をはるかに超えてしまいました。

沖縄観光コンベンションビューローの助成金も獲得して、余裕のあるはずだった予算はあっという間になくなってしまいました。ここにきて「神人~ザンの末裔~」のポスプロ作業は、中断を余儀なくされたのです。

そして香港フィルマート2015

当初、この年(2015年)4月末に公開を予定していたのですが、とうぜん公開は延期。チャーリーは了承してくれましたが、既にセールスは進めているので、夏までには完成させてほしいと言ってきました。そしてこの年の香港フィルマート(3月)では・・・

チャイナ3D4チャイナ3D3チャイナ3D1

「神人~ザンの末裔~」が大々的にPRされていたのです。チャーリーが委託したチャイナ3Dのカタログにこの夏の期待作として掲載され、ブースのモニターでは予告編が流れていました。チャイナ3Dの社長からも

サニー千葉が出る久々の映画だな。期待してるぜ!!

と声を掛けられました。自分の映画が期待を持ってPRされてるわけですから、当然うれしいんです。でも心中は穏やかではありません。なぜならチャーリーと約束した夏までの完成。そのためには新たな資金調達をしなければならないのです。

お金がなければ中断している作業を再開することは当然できませんからね。でもこの時のMARCYには資金調達の目途はまったくありませんでした。

チャーリーやチャイナ3Dの社長の期待に応えなければならない。それ以上に沖縄からアジアへ映画を売るルートをつくる先駆けになるという使命感もありましたしね。MARCYはどうやって資金調達を行うべきか、複雑な心境で香港フィルマートから帰沖しました。

はたしてMARCYは「神人~ザンの末裔~」を完成させることができるのか?続きはまた次回で。

2020年2月19日23時45分 明日の沖縄は暖かくなるようです。それではみなさん、おやすみなさい。

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