MARCYの自分史BLOG 第9回 MARCY映画をつくる その2(2012年~2016年) テーマ型自分史として

神人海岸ロケ 自分史BLOG

テーマ型自分史の手法 その2

こんばんわMARCYです。前回に続き第9回目も「MARCY映画をつくる その2」と題して、MARCYが映画をつくったエピソードを紹介していきます。MARCYが「神人」を作ったこの時期は、企画から始まり劇場で公開するまでのあしかけ5年間です。

MARCY60年の人生の12分の1の期間ですね。この映画をつくったことは、MARCYにとって人生最良のエピソードであり、同時に最悪のエピソードでもあります。ひとつのエピソードとその期間に焦点をあてたテーマ型自分史として、お話ししていきます。

今回のアイキャッチ写真は、映画のロケの一コマです。主人公の女の子が友人と海岸を歩くシーンの撮影準備をしているところなんですが、映画の尺でいうとわずか2分くらいの撮影に、これだけの人数が関わっています。映画ってお金が掛かるわけですよね。

チャーリーとの出会い

2012年に初めて香港フィルマートに参加したMARCYは、2016年まで5回連続で参加することになりました。チャーリーとは2012年に知り合いましたが、最初のきっかけは当時、沖縄産業振興公社のファンド担当者だった杉浦さんからの紹介だったんです。

杉浦さんは数年前にフィルマートでチャーリーと知り合っていて、ファンドマネージャーの立場で、MARCYとチャーリーを引き合わせてくれたんですね。MARCYはチャーリーに沖縄独特の死生観に基づくホラー映画である「神人」の構想を話しました。

ホラーならば良いとチャーリーは言った

チャーリーは、ばくぜんとした構想にすぎない、MARCYの”沖縄からアジアへ”という話を真剣に聞いてくれました。多分この時チャーリーは40歳そこそこだったと思うんですが、既に何本も映画をプロデュースして、また新しい映画を企画していました。プロだなとMARCYは羨ましく思ったことを覚えています。

プロだなと思った理由は、チャーリーは映画の企画を起こす時に、二次販売の権利を事前に契約していたからです。彼の映画は興行収入が思わしくなくても、制作費の6割から7割は間違いなく回収できる仕組みになっていました。

具体的に言うとチャーリーの企画する映画は、CSの映画チャンネルであるスター・チャンネル アジアでの放映権や、香港やマカオの地上波やCATVでの放映権を公開前に契約することで、制作費の何割かを補填する手法を確立していたのです。

この手法はハリウッドでは、かなり前から当たり前になっています。テレビでの放映権だけではなく、キャラクター販売の権利やノベルティとしてのタイアップ、CMとのタイアップなどあらゆる二次利用、三次利用の権利が、お金に換算されるのです。

ビッグネームの監督の作品や、ヒットシリーズの新作などは、公開前から制作費は既にペイしているケースもあるほどです。日本の映画界、ましてや辺境の地である沖縄では考えられないことでした。

そしてチャーリーは、ホラーならば良い。なぜならホラーはアイディアさえよければ低予算でも、有名な俳優が出ていなくても勝負できるからだと言いました。「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」がいい例ですね。

条件付きで海外販売の代理人契約を承諾

そしてホラーならば良いと言ったチャーリーに、MARCYは海外販売の代理人になってくれるように要請しました。シナリオを確認してからという条件付きでしたが、チャーリーは海外販売の代理人になることを承諾してくれたんです。

MARCY舞い上がりましたよ。考えてみてください。いきなり海外配給ですよ、代理人ですよ、ありえないチャンスだと思いましたね。MARCY単純なんで「おれってもしかして天才!?」もしくは「これって大成功の予感!?」まあ、有頂天になっていました。

シナリオどころかシナプシスすらまだ、しかもファンドの投資もそれ以外の出資者も決まっていないにも関わらず、気分はもう名プロデューサー。そして、シナリオができたら英訳して送ることをチャーリーに約束して意気揚々と沖縄に帰りました。

ファンドの審査

このチャーリーの存在がファンドに好印象を与えたのは事実です。海外代理人獲得済みの案件ってファンド側にしてみても初めてのことだったんですね。これ以降、映画の企画は加速していきます。

第一次書類審査通過

ファンドの審査は2段階で先ず書類審査がありました。「神人」の企画は、沖縄初の3D映画であること、この段階ではまだ出演交渉中でしたが、千葉真一さんの特別出演を見込んでいること、そして香港のチャーリーとの代理店契約の可能性が高いこと、この3点が評価され無事に書類審査を通過したのです。

ファンドの一時中断とシナリオの難産

しかしその後がけっこう難産になりました。先ず審査がファンド側の理由でとまってしまいました。書類審査の次に行われるプレゼン審査がいつ行われるのか見通しが立たない状況が半年以上続いたんです。

そしてもうひとつはシナリオがなかなか固まらなかったことです。MARCYの見込んだM監督は、立派な実績のある監督だったんですが、神人のコンセプトに迷いがでてしまったんでしょうか、何度期限を切ってもシナリオを完成させることができませんでした。

2次審査の日程が見えず、シナリオは完成しない。これではファンド以外のスポンサーも見込めません。膠着状態におちいってしまった神人の企画。このまま企画倒れに終わるのかとあきらめかけたときに、状況を打破してくれたのはやはりチャーリーでした。

代理人契約を前倒し

ファンドのマネージャーから助言を受けてMARCYは、ダメもとでチャーリーに代理人契約を前倒しでできないかとお願いをしたのです。シナリオがまだ未完成で、期待はしていなかったのですがチャーリーはOKしてくれました。理由は千葉真一さんの存在です。

千葉真一さんはやはり国際的な大スターで、香港でもサニー・千葉といえば映画ファンが胸をときめかせる偉大な存在だったんですね。そしてもうひとつは、チャーリーのプロダクションがかかえる新人女優の出演を条件にしてきました。

チャーリーにしてみれば、まだ海のものとも山のものとも見分けがつかない企画でしたが、千葉さんが出演するのであれば、一定程度の採算は見込めるとの計算があったのだと思います。そのうえで自分の持ち駒の女優を日本デビューさせる、一石二鳥の作戦です。

もちろんMARCYにNOの選択肢はありませんでした。千葉さんの最終承諾をもらえてないという一抹の不安はありましたが、チャーリーとの代理人契約がすべての突破口になるとの直感が働いたのも事実です。

長年の営業経験を持つMARCYのあつかましさなんですが、さらにもう一押し、チャーリーにアジア諸国への販売見込み額の提出を依頼してみました。驚くべきことにチャーリーから販売見込みの一覧表が出てきたんですよ。いやあ、びっくりしましたね。

そしてMARCYにとっては3回目となる2014年の香港フィルマートでチャーリーとの代理人契約を無事に締結することができたのです。

チャーリー
契約締結後にチャーリーと歓談(香港フィルマート会場で)右から2人目がチャーリー

さあ、これで海外販路の道筋はできた。おまけにチャーリーからの販売見込み金額も出ている。これで出資しない理由はあるか!!このころのMARCYはもう矢でも鉄砲でも持ってこいの鼻息の荒い状態でしたね。

自信満々の二次審査でのプレゼン 投資決定!!

こうしてテーマ型の自分史を意識しながら、自分の過去を振り返るとほんとうに自分がよく見えてきます。いやになるほど冷静に分析ができるんです。見えすぎて恥ずかしくなるくらいです。

MARCYは長年営業として実績をあげてきましたが、攻めてる時は自分で言うのもなんですが、本当に強い。仕組みや企画を考えるのも得意です。なのでコンペ型の補助金獲得も上手で、友人や知人の補助金応募のサポートも良くしていました。

だから大きなクライアントの案件を受注したり、ライバルからクライアント自体を奪い取ったりといった華々しい営業成果をあげる最前線ではまさに無敵。チャーリーと契約を結んだときのMARCYは文字通りそんな状態だったんです。

そして、停止状態が解けたファンドの二次審査では自信満々のプレゼンを行い、見事に投資決定を勝ち取りました。そしてファンドが投資決定したことによって、今まで出資に慎重だったスポンサーたちの反応も変わってきたのです。

「MARCY映画をつくる その2」自分史ブログ9回目は、チャーリーとの出会いからファンドの投資決定までをお話ししました。順風満帆に見える映画「神人」ですが、この後も紆余曲折を重ねることとなります。

次回は、ファンド以外のスポンサーの獲得から映画製作委員会の設立。ロケーション開始までをお話ししたいと思います。それではMARCYの自分史BLOG第9回はこの辺で。

2020年2月4日23:26分 おやすみなさい。

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