MARCYの自分史BLOG 第10回 MARCY映画をつくる その3(2012年~2016年) テーマ型自分史として

3D眼鏡 自分史BLOG

テーマ型自分史の手法 その3

こんばんわMARCYです。MARCYの自分史ブログ第10回も「MARCY映画をつくる その3」と題して、テーマ型自分史を綴っていきます。今回のアイキャッチ写真は、3D撮影した映像を出演者やスタッフが3Dモニターで確認しているところです。

3D撮影は当然カメラも2眼の3Dカメラを使うわけで、確認するのもこんな手間を掛けるんですよ。下の写真は3Dカメラのセッティング風景です。通常のカメラよりも図体がでかいことがおわかりいただけますでしょうか?

3Dカメラ

さて、前回はファンドの審査が通ったところまでお話ししましたので、今回はそれからロケ入りまでの過程をお話しします。

ファンド以外のスポンサー獲得

沖縄県文化コンテンツ等ファンドの出資は決定しましたが、金額はこちらの要望には程遠いものでした。出資要望額4,000万円に対して決定額は1,500万円に過ぎなかったのです。これではとても映画製作はおぼつきません。

そこでMARCYは、チャーリーとの販売代理人契約書と販売見込み額を根拠に、スポンサーの獲得に奔走しました。先ず、県内のテレビ局や新聞社のマスコミ各社。そして映像系の学科を持つ専門学校。そして技術提供をしてくれるビデオテック社には、現物出資を依頼しました。

先ずテレビ局と新聞社は系列を絞り、出資に応じた広告出稿を提示します。もちろん、出資額を上回る広告出稿は約束できないので、あとはチャーリーの販売見込み額と国内興行(県内)の見込み額から算出した、利益額からの分配額を示すのです。

専門学校には、映画撮影のロケに映像系の生徒たちを参加させる、いわば実地教育を約束しました。またビデオテック社の現物出資というのは、手っ取り早く言えば値引のことです。つまり2,000万円の仕事だけど1,500万円で受けてちょうだいということですね。

もちろん、専門学校とビデオテック社にも利益予測のシュミレーションに基づく配分予想額も提示します。出資のパーセンテージに応じた利益配分額です。売上は国内興行とチャーリーの海外展開でMAXで1.5億を見込みました。そしてチャーリーのセールスシートがこれです。

チャーリーセールスシート

USドルで58万ドル、当時のレートで日本円に換算すると7,000万円弱でしょうか。この時点ではMARCYには、「神人」が赤字になるなんてことは想像することすら出来ませんでした。

例えば、チャーリーのセールスは辛めに4分の1で計算。それでも国内興行もあるので、悪くてもトントン。海外公開ということになれば黙ってても東京の配給会社から声が掛かるだろうし、うまくすれば大儲けだよなんて、今考えるとまさに大甘の取らぬ狸の皮算用。

話は少しそれますが、やはり自分史づくりって良いものだ

いやいや、やはり自分史を振り返るって大事ですね。同じ自分史活用アドバイザーである柳澤史樹さんのすごく印象に残ったフレーズがありましたので、引用しますが

自分史は、未来から現在を振り返って描くオリジナルなドラマ

まさに今のMARCYの心境です。MARCYは今自分で映画をつくった過去を振り返っていて、あの頃の自分がいかに根拠のない自信に溢れ、いかに慢心していたかを痛感しているわけです。

そして、自分史活用アドバイザーとして活動を始めるにあたって、自分史の活用を人様に説くためには、先ず自らの自分史を振り返ろうという趣旨で始めたのがこのブログです。自らの過去を成功も失敗も含めて、すべて見てもらおうと思ったからです。

そして今柳澤さんの言葉に触れて、自分史活用アドバイザーを志した現在の自分を振り返る、未来の自分はハッピーでありたいと心から願っています。みなさんの自分史活用をお手伝いすることで、自らもハッピーになれることを信じて頑張りたいと思うのです。

制作費のメドがついた!!映画製作委員会の結成

スポンサー獲得に励んだおかげで、MARCYの映画「神人」はようやく制作費のメドがつきました。テレビ局1社、新聞社1社、専門学校が1校、ビデオテック社の現物出資(実質的な値引き、金額にして650万円程度)他2社の出資もあり、いよいよ具体的なスケジュール組みです。

先ずは製作委員会を結成しました。製作委員会の幹事会社はいうまでもなくMARCYの会社である㈱航時者が努めます。そして同時に、製作委員会から㈱航時者が映画の制作に関する業務委託を受ける契約を結びました。

キャスティング

さあ、そしてキャスティングを固めなければなりません。製作委員会のメンバー(すなわち出資者)には言葉を濁していましたが、実は千葉真一さんの出演はまだはっきりした返事をいただいていませんでした。

理由は明白。シナリオがまだ完成していなかったのです。いやあ、怖い話ですよね。今振り返るとほんとに冷や汗をかく思いです。目玉のキャストが決まっていない、シナリオが完成していないそんな状況で製作委員会が結成され、映画をつくることだけが決定されているんです。

千葉真一さんとの出演交渉

あのころのMARCYは根拠のない自信に裏打ちされた無敵状態。でも冷静に見ると落とし穴だらけの空恐ろしい状況だったんだなって、ある意味自分の事ながら感心してしまいますね。
さあ、いずれにしろもう後にはひけません。千葉さんへの猛烈なアタックを始めました。

そしてシナリオ作成に千葉さんのアドバイスをいただくことになったんです。千葉さんはわざわざ沖縄まで来てくれて、なんとMARCYの家で、シナリオミーティングを行うことになりました。世界的映画スターの千葉真一さんが、MARCYの家まで来てくれたんですよ!!

写真を載せられないのが残念ですが、じつはこの時、まだ日本デビュー前の真剣佑君も一緒に来沖しました。17歳の彼は凄い美男子で、しかもお父さんのしつけが素晴らしいからでしょうね、とても礼儀正しい好青年でした。

写真の代わりに、真剣祐君がザ・チェインスモーカーズの「クローサー」をカバーした映像をどうぞ。彼は英語もペラペラだし、歌も上手です。MARCYは千葉真一さんと真剣祐君と一緒にカラオケにも行ったんですよ。お二人の生歌を聞けたのは幸せな体験でしたね。

千葉真一さんと真剣祐君と夕食を一緒にする機会があったのですが、同席したMARCYの妻の喜びようは半端じゃありませんでしたね。もっとも妻のお目当ては、千葉真一さんではなくて、息子の真剣祐君の方でしたが・・・

サインをもらったハンカチは今でも妻の宝物です。左上が真剣祐のサインで、右下が千葉真一さんのサイン。

千葉さん親子のサイン

この時の千葉真一さんからいただいたシナリオへのアドバイスは、MARCYも含めて、スタッフにとってとてもありがたいものでした。沖縄の映画製作のレベルは、お世辞にも高いものだとは言えません。

日本映画やハリウッドの全盛期にトップスターであり続けた千葉真一さんの、経験に裏付けされた、映画の深い知識から来る言葉は一言一言がとても貴重なものとして、沖縄のメンバーの心に響きました。

千葉さんのアドバイスは、制作費の限界からすべてが実現はしませんでしたが、「神人」のシナリオに可能な限り反映することになりました。そして、ついに千葉さんに正式な出演受諾をいただくことができたのです。

ヒロインの選定

ヒロインのミナ役には沖縄出身で、当時オスカー・プロモーションに所属していた玉城茉莉さんにお願いする予定でした。しかし、シナリオ完成の遅れによってロケ入りが二度に渡って延期されたことで、スケジュール取りがむつかしくなり、急きょヒロイン役の変更をすることになりました。

この時点ですでにロケ入りまで1か月を切っていましたから、MARCY焦りましたね。千葉さんの出演も決まり、沖縄側ではベテランの幸地たか子さんや城間やよいさん、新垣正弘さん、そして東京で活躍している小橋川よしと君、香港から李元玲さんの出演が決まっています。

3週間のロケの日程もいよいよ固まり、千葉さんをはじめ、他の役者の皆さんのスケジュールも抑えていました。ここでヒロイン役が決まらないので、ロケを延期しますというわけにはいきません。シャレにもならない状況です。

玉城さんの所属していたオスカー・プロモーションとの仲介をしてくれたのが、沖縄の地元でモデル事務所、オフィス・リゾムを経営する喜屋武厚子さんでした。喜屋武さんはご自身もオスカー出身で、また千葉真一さんを紹介してくれたのも彼女でした。

喜屋武さんを介してオスカー・プロモーションに玉城さんの代わりのヒロイン役を推薦してもらいました。オスカー側から3名の候補者を出してくれて、その中から透明な存在感を持つ当時17歳の河内美里さんにミナ役をお願いすることになったのです。

美里さんはロケ入り3日前に沖縄入り。すぐにシナリオを読み込み役作りに入てもらいました。とても素直でまじめな子で、千葉真一さんや沖縄のベテラン役者の出演する映画のヒロインに選ばれたことを喜んでくれました。

今振り返ると、信じられないような綱渡りをしています。よくこんな状況でロケのスケジュールが組めたものですね。ある意味MARCYの持つ強運といってもいいかもしれません。とにもかくにも、こうして「神人」はロケ入りの日を待つばかりとなりました。

MARCYの自分史ブログ第10回「MARCY映画をつくる その3」は、そろそろこの辺でおしまいです。次回は、いよいよ3週間にわたるロケの間のエピソードをお話ししたいと思います。2014年9月5日にロケはスタートしました。

2020年2月9日20時05分 今日はまだおやすみなさいには早い時間ですね。MARCYはこれから夕食です。それではみなさん、また次回。

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